放射能についての素朴な疑問


気にし出すとキリが無い。でも、何も気にしないで生活していていいのかしら?

手持ちの線量計と、市から借りた線量計では、数値が違うのだけど、どっちが正しいの?

→線量計は、そこにある放射能の「絶対値」を表すものではありません。

たとえ同じ場所であっても、測定器に用いられている検知器の違いによって 示される値が変わってくることがあります。 異なる検出器で得られた結果を比較することは混乱のもとであり、 1種類の線量計で、線量の相対変化を観測することが重要であると考えられます。

また、線量計のわずかな変動は、その場に放射能は降ってきたからではありません。 よく「車が通り過ぎた時や、風が吹いた時に値がわずかに上がった。放射能がきているのでは?」 と心配される方もいらっしゃいますが、低いレベルでの線量計の値の変動は、ノイズその他様々な要因から起こります。

今、さいたまに暮らす私たちにとっては「相対的に高い場所を探し、注意しながら生活すること」が大切かと思われます。

参考:東京大学  小豆川助教サイト:http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cshozu/

さいたま市に住んでいても、大丈夫なの?

→「思いと情報をシェアする会」に参加された、多くの方から、このご質問をいただきます。

はっきり言って、それは私たちにはわかりません。

事故前よりも、核実験が行われていた頃よりも、多くの放射能が飛散・沈着したのは確かです。 しかし、大学内部にも、学術団体内部にも、安全寄り、危険寄りの様々な意見があり、 また、倫理的に人体実験が許されないという科学的方法の限界があり、 現状では、誰にも、安全・危険の「断定」はできないと思います。

例えば、ここに500粒の豆が入った瓶があるとします。 多くの人に「この瓶には何粒入っているか?」と質問すると、100〜1000程度の幅がある回答が得られます。 でも、みんなの答えを平均すると、不思議と「真の値」に近づいていきます。(※1)

「みんな」の予想を沢山集めると、「真の値」に近づいていくかもしれません。 しかし、そのためには、「みんな」というのが、色んな価値観を持った、多様な人々である必要があります。

すこやかさいたまは「安全寄りの情報だけ」「危険寄りの情報だけ」に偏らず、 多様な情報を集めて、さいたま市での生活や子育てに役立てたいと思っています。

(※1)「東洋経済」に2009年頃北川達夫氏が連載してた「わかりあえない時代の『対話力』入門」からの引用です。 実際にこのような社会学的な実験があったかどうか具体的なリソースは書いてなかったかと思います。 (忘れてるだけかもしれませんが、雑誌が手元に無いのですみません。 「集合知」というキーワードで検索すると、この件について有効な情報がみつかるかもしれません。)

2011.12.10更新



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