食品の汚染はどうなの?

◆市内に流通している食品は十分に検査されているのかしら?

→埼玉県やさいたま市は流通している食品や、給食の食材を検査しています。
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◆行政の検査結果をみても、なんだか不安なんだけど…

→行政が行う検査の精度に不安があったため、2011年秋には、会で民間検査機関に依頼して「埼玉県産23年度新米」の測定を行いました。
  *ゲルマニウム半導体検出器で行った埼玉県産米の測定結果(不検出)
  *測定結果のスペクトル

行政だけではなく、民間測定所などの皆さんが、色々な食材の測定結果を公表してくださっています。不安があれば、自分で食べるものは自分で検査してみるとよいですが、測定値の信頼性については、下記のSecurityTokyoさんのサイトの解説などを参考にされるとよいかと思います。
  さいたまラボさんのブログ
  SecurityTokyoさんのサイト

◆事故前には、一体どのぐらいのセシウムを食べていたのかしら?

「日常食中のセシウム137の経年変化(1974-2010)」というデータがあります。
これによると、近年の食事中のセシウム137は、1日0.1ベクレル以下だったことがわかります。

◆今、どのぐらいのセシウムを食べているのかしら?

→朝日新聞社と京都大学環境衛生研究室が共同で行った、福島・関東・西日本の53家族を対象にした「家庭で1日の食事に含まれる放射性セシウムの量」の調査によると、福島県では3食で4.01ベクレル、関東地方で0.35ベクレル、西日本でほとんど検出されないなど、東京電力福島第一原発からの距離で差がありました。

一番高かった福島の水準の食事を1年間食べた場合でも、人体の内部被ばく線量は、4月から適用される国の新基準で超えないよう定められた年間被曝線量の40分の1にとどまっていたそうです。

「今回の調査で、これまでの食品規制などによる効果が検証できたといえるのではないか。結果から推定される年間の被曝線量は福島でも、食品にもともと含まれていて誰もが被曝しているカリウム40の自然放射線による被曝量よりもはるかに低い。セシウムの量はカリウム40摂取の個人差の範囲内と言える。今後も食事に含まれる放射性物質を監視し、コントロールしていくことが重要だ。」by 甲斐倫明・大分県立看護科学大教授(放射線防護学)

参考: 2012年1月19日 朝日新聞記事

→朝日新聞に載ったデータを、過去の核実験が盛んだった頃の食品中のセシウム量と比較すると、下記のようなグラフとなります。


グラフ:@minadukiGさんのツイッター情報から引用

◆どのぐらい食べると、体に影響があるのかしら?

→「100ミリシーベルト以下で影響はありません」という意見と、「日本において前例の無い汚染なのだから、どうなるかよくわからない。ガマン量は自分で決めよう」(※1)という意見がありますが、下記のように色々な考え方があるかと思います。

(1)実効線量で判断(体内に取り込んだ放射性セシウムをシーベルトに換算して、年間何mSvまでを容認できるか判断)(※2)

(2)カリウム40と比較(自然界に存在している放射性カリウムからの内部被ばく量と比べる)(※2)

(3)過去の食品中のセシウム量と比較(核実験が盛んだった1960年代食品に含まれていたセシウム量と比べる)(※3)

この判断で、再度上記朝日新聞の記事をみますと、現在の食品の放射能汚染は、実効線量としてみれば少なく、人体に大きな影響がある値にはみえませんが、過去の核実験が盛んだった頃と比べるとやはり多いので、そういった意味では注意が必要かもしれません。
以上、ご自身が判断する際の参考にしていただけると幸いです。

参考:
(※1)「"100ミリシーベルト以下は影響ない"は原子力村の新たな神話か?」京都大学 今中哲二助教
(※2)「食品中の放射性セシウムによる内部被ばくについての二つの考え方」学習院大学 田崎晴明教授
(※3)「粉乳のセシウムとストロンチウムの長期的な変動」三重大学 勝川俊雄准教授


2012.09.10更新



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