◆2012年6月さいたま市議会・傍聴記録(速報)


スタッフが手分けして、6月さいたま市議会の市議会の放射能関連の質問を傍聴してきました。
以下に、スタッフが傍聴した内容を書き起こしました。
※後日、さいたま市のHPに正式な議事録が公開されますので、正確な内容はそちらをご覧ください。(会議の動画もUPされると思います。)


◆市議会本会議・守谷千津子議員(共産党)の一般質問(6月11日)

【 質 問 】
*放射能汚染対策について
(1)小・中学校における給食食材の検査充実について
(2)全ての認可保育園で空間放射線量測定と給食食材の放射線量検査を行うことについて
(3)子どもと妊婦の内部被ばく調査について
(4)放射能汚染対策費用を東京電力に請求することについて

【 傍 聴 内 容 】
守谷議員「さいたま市でも空間線量の測定など実施しているが、対策が十分ではないと感じる。小・中学校における給食食材の検査充実について品数が不十分。各学校年1回では不十分。」

副教育長「関係各都県で検査して流通しているものを使用しているので安全。4月からの使用食材の検査で不検出だった。2月の隠膳検査では、不検出または、年間1mに収まる数値だった。」

守谷議員「全ての認可保育園で空間放射線量測定と給食食材の放射線量検査を行うことについて、私立保育園も同様にやるべき。」

子ども未来局長「空間線量について、測定希望者には線量計を貸出している。食材の検査について、いずれも国の基準を大幅に下回る。ただし、不安に思う保護者の声があるので、隠膳検査を検討。」

守谷議員「子供と妊婦の内部被曝調査(尿・母乳)について、せめて希望者にはやってほしい。」

保険福祉局長「内部被曝は食と水から。各自治体で検査しているので、今は内部被曝の検査の必要はないと思う。」

守谷議員「不安の声があるのに、大変後ろ向きな答弁だと思う。」

保険福祉局長「福島ではホールボディカウンタを実施している。そうした結果、長期的に見て健康被害をもたらす結果は出ていないので、必要ない。」

守谷議員「放射能汚染対策費用を東京電力に請求することについて進捗状況は?」

総務局長「H24.3までに東電に請求済み。人件費を除く6,394万円のうちの7割を請求。」


◆市議会本会議・新藤信夫議員(自民党)の一般質問(6月11日)

【 質 問 】
*災害廃棄物の受け入れについて
(1)災害廃棄物処理に対する政令指定都市さいたま市としての役割について
(2)災害廃棄物広域処理に関する国からの要請について
(3)ガレキを搬出する被災地の状況について
(4)受け入れ基準と具体的な検査方法について
(5)具体的な受け入れ検討経過について
(6)最終処分場の確保について

【 傍 聴 内 容 】
新藤議員「現地を視察したら、10mもの高さに積み上げられたガレキの山が異臭を放っていて、分別も手作業で過酷な状況。(1)-(6)について質問する。」

市長「政令指定都市としてやる必要がある。市民の放射能の不安を考え、市独自の基準を作る。最終処分については、市内外を問わず受け入れ先を探している。」

環境局長「3月30日に総理と環境大臣から岩手5万トンの一部について受け入れ要請があった。野田村のガレキ置き場の線量は毎時0.07-0.09マイクロシーベルトとさいたま市と同等。廃棄物処理施設周辺の空間線量、排気、排水、焼却残渣について放射能を確認する。<最終処分地は市内外を問わずお願いしているところ。」

新藤議員「国からの要請は量なのか?期日なのか?」

環境局長「県が受け入れるのは5万トンの一部をと要請があった」


◆市議会本会議・神田義行議員(共産党)の一般質問(6月11日)

【 質 問 】
*原発再稼動及びエネルギー政策の転換、震災ガレキ処理について
(1)政府の原発再稼動の動きについてどのように考えるか
(2)東電の電気料金値上げに対しての見解
(3)エネルギー政策の転換について
(4)さいたま市におけるエネルギー政策の具体化について
(5)この夏以降の節電対策についての考え方
(6)震災のがれき処理についての市の考え方

【 傍 聴 内 容 】
神田議員「再稼動によって節電対策がうやむやになってないか。目標などは立てているか。東電の値上げは理不尽。経済産業庁ではまだ値上げについては検討中なのに業者には値上げのお知らせが届いているなどおかしい。広域処理は、最終処分場の延命を考えねばならない本市ではダメだと思う。閉鎖系ではない処分場では汚染が環境中に広がる」

市長「再生可能エネルギーへの移行必要だと思うが、計画停電の混乱をみれば電力も必要。国は原子炉規制について早くきちんと決めてほしいと思う。」

環境局長「エネルギーについては原子力から再生可能エネルギーに転換する必要がある。原子力に過度に依存しないよう、本市も国へ要望する。さいたま市のエネルギービジョンは策定中。この夏無理のない節電は必要で、具体的な節電目標は検討中。東電へは安易な値上げをしないように口頭で申し入れている。がれき受け入れについては、受け入れ・焼却・埋め立ての各段階で、排気、空間線量などチェックするようにする」

新藤議員「絆ではなく、しっかりと安全基準を決めてほしい」


◆市議会本会議・三神尊志議員(民主党)の一般質問(6月11日)

【 質 問 】
*震災がれきの広域処理について
(1)さいたま市が震災がれきの受け入れの可否を検討するうえで、判断材料はどのような事例があげられるか、見解を伺う。
(2)震災かれきの安全性について、見解を伺う。

【 傍 聴 内 容 】
三神議員「『震災がれき』は放射能汚染が無いもので、放射能で汚染されているものと、はっきり言葉を区別して使うべき。岩手県野田村の視察に行って測ったら毎時0.039から0.06マイクロシーベルト。沿岸部の生活圏、保育園や学校のそばにもがれきが積み上げられていて復興が困難。早くなんとかして欲しいといわれた。がれき量は当初の見積もりより少ないことがわかってきた。市民からは、早くやれ、放射能が怖いからやるな…という両方の声。判断条件として、市としての独自基準はどうなっているのか。」

環境局長「独自基準は有識者と策定中。市外処分場から受け入れ無理と言われたので、あちこちに頼んでいるところ。岩手の木屑は空間線量毎時0.07から0.09マイクロシーベルト程度。試験焼却をして、受け入れ後は、現地と本市で調べる。排気、処理施設の空間線量、焼却残渣、放流水をチェック。万一基準を超えたら受け入れ停止。」

三神議員「岩手の木屑の見積もりは47万トンから18万トンに減ったはず。既に手を挙げている日高市などもある。さいたま市ではもう引き受ける必要ないのでは?木屑以外の可燃物を受け入れるのか?国の基準があるのに、さいたま市独自の基準を作るなら、それはどんな意図で作るのか?」

環境局長「基準は今検討中。焼却灰1キロあたり8000ベクレルが国の基準なら、より厳しい数値を設定するつもり。受け入れについても、国が240ベクレルなら、さいたま市は100ベクレル以下。量などについては6月中に岩手からしめされる。」


◆市議会本会議・帆足和之議員(自民党)の一般質問(6月13日)

【 質 問 】
*公立学校等の放射能対策について
(1)内部被ばくの恐ろしさについて
(2)土壌測定と対策について(校庭、通学路、公園等)

【質問要旨】
 ・土壌のほこりを吸い込むなど内部被ばくの恐ろしさが心配されている。市はどこまで把握しているのか。
 ・学校においても場所により高い数値が出ていると聞いている。この結果について市は把握しているのか。
 ・土壌分析等について、学校に相談しても対応がまちまちである。全校での校庭・体育館裏・側溝の分析を望むが、見解は。

【答弁…教育長】
 御質問の3 公立学校等の放射能対策について、(1)内部被ばくの恐ろしさについて、(2)土壌測定と対策についてのうち、教育委員会所管分につきましては関連がございますので、一括してお答えいたします。
 内部被ばくは、放射性物質を含む空気、水、食べ物などを摂取して、放射性物質が代謝・排せつによって体外に排出されるまで被ばくが続くことから、十分に注意をしなければならないことであると認識しております。
 教育委員会では、平成23年6月に、全市立学校の校庭の地上5センチメートル、50センチメートル、1メートルの高さで空間放射線量を測定するとともに、11月には校舎や体育館の雨どいの下、周辺より高い放射線量が予想される箇所を対象に測定してまいりました。その結果に基づき、必要に応じて低減措置を講じてまいりました。
 議員のお話の中にありました事例につきましても、校長等から報告を受けております。今後とも心配な事案につきましては、適切に対応してまります。
 また、内部被ばくの対応をいたしましては、学校給食の食材の検査に加えまして、本年2月にすべての市立小・中・特別支援学校の提供後の給食の放射性物質検査を実施いたしました。その結果は、いずれも不検出、もしくは推定内部被ばく量が国の基準値である年間1ミリシーベルトを大幅に下回り、学識経験者からも児童生徒の健康への心配はない旨の評価をいただいております。
 御質問の土壌測定等につきましては、現在市全体で検討を進めているところでございますので、教育委員会といたしましては、その方針に基づき適切に対応するとともに、学校の対応につきましても統一を図ってまいりたいと考えております。

【答弁…環境局長】
 次に、3 公立学校等の放射能対策について、(2)土壌測定と対策についてのうち、土壌測定の考え方についてお答えします。
 本市では、昨年11月に「放射線量の高い箇所への対応方針」を策定し、放射線量の低減措置等に関する考え方に基づき、市内の学校、保育園、公園等の局所的に放射線量が高くなることが予想される地点の詳細な調査を行い、適切な対応を図ってきたところです。
 本市は、国が示す放射性物質汚染対処特別措置法の汚染状況重点地域に指定されておらず、これまでの市内の調査結果から、一般環境中における空間放射線量は、年間被ばく線量で1ミリシーベルトに達しないレベルにあり、現時点では、土壌中の測定を実施する必要性は原則としてないものと考えております。
 市の対応方針では、面的な箇所において地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト、局所的な箇所において地上5センチメートルで毎時1マイクロシーベルトを超え、異常な数値が認められた場合は、低減措置を行った後、土壌中の放射性物質の調査を必要に応じて検討することとしておりますことから、市として共通した対応が必要であると考えております。当対応方針に対する考え方については、改めて、「さいたま市放射線等対策専門委員会」のご意見をうかがっているところです。

【再質問】
 さいたま市は子どもの内部被ばくゼロを目指す気はないのか。

【答弁…市長】
 帆足議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 この放射線につきましては、自然界にも存在するというような状況でございますので、内部被ばくゼロということは考えておりませんが、しかしながら、子どもたちの安全を守っていくということは私たちに課せられた大変大きな使命であると思いますので、子どもたちの健康に影響がないようにできる限りの対応をしてまいりたいと、このように考えております。




2012.06.18更新



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