◆2011年12月さいたま市議会・委員会傍聴記録

保健福祉委員会・小川寿士委員(民主党)の議案外質問の議事録

※尚、この議事録は校正前の速報原稿ですので、今後さいたま市HPに公式に掲載されるものとは、文字や表現が若干異なる場合がありますのでご了承ください。


小川寿士委員:
…それでは次に、原子力発電所事故に係る放射線、放射性物質に伴う市民の皆さん方への相談体制についてお聞きをいたします。
 先月の11日、清水市長を含みます九都県市首脳会議より、野田総理に対し、また担当大臣に対しまして要望書を提出をされました。その要望の中には、放射性物質は一次的に除染や廃棄などを行っても消滅するものではなく、他に放射性物質が集積、または移動するだけであり、根本的な解決につながるものではないと。こうした状況が長引くことで特に放射線への感受性が強いとされる子どもたちを初め住民の健康被害が生じる可能性が否定できないという文言がございます。まさに現実にその小さなお子様をお育てになっているお父さん、お母さん方の御不安はとても大きなものがございます。そうした中でできる限りの情報を提供すること、また相談体制の充実が当面私は本市においても求められているんだと思います。
 そこで、特に保護者の皆様から御不安の大きい子どもたちの体内セシウムの量について、本市の現状における認識と今後の対応方針についてお聞かせをください。

保健所長:
 尿中のセシウムに関する御質問ということで理解しましたが、埼玉県内では事故後に計測されている数値から、県内で生活されていた方の受けた放射線量、これは国内でも比較的放射線量が高い地域の住民が恒常的に受けている放射線量に比べて低いとされております。自然界の放射線というのがございまして、年間0.8から1.189あたりまでの分布がございます。花崗岩の多い県については高目に出ると、こういうことでございます。その範囲が0.38ミリシーベルトということでございますが、本市の住民の方が受けておられる放射線量については、これに比べても低いということ。それから、本市では原発災害関連研究チームというのを形成しておりますが、こちらの参加いただいております学識経験者からも、健康調査の実施が現時点において必要な状況にあるという意見はいただいておりません。このため尿中セシウムについての調査の実施が必要な状況であるとは考えておりません。

小川寿士委員:
 お母さん方、大変本当に御不安のある中で、私も直接その御不安の声をお聞かせをいただきましたけれども、やはりさいたま市のそれぞれ御担当のところに問い合わせをするにいたしましても、私も今回質問するに当たりまして御担当の部署を明確にするまでに相当な作業がかかったわけですから、それぞれ市民お一人お一人の方がその不安を解消するために専門的な今の現状を聞きたいと当然おっしゃるお気持ちはよく理解をいたしますし、それにお答えいただきたいと思います。
 そこでまず、先日も春日部にある工場で生産されました粉ミルクから放射性セシウムが検出されたという報道がございました。この点につきましても、早速、小宮山厚生労働大臣が情報の収集に努めるというような答弁もございましたけれども、この点につきまして、市民よりの御相談はしっかりと丁寧な御対応をいただきたいと思いますが、その体制は整っておりますでしょうか。

保健所長:
 明治のステップ粉ミルクというの商品についてセシウムが検出されたという事案に対する対応でございます。
 これは保健所におきましても、また各保健センターについても御相談が対応できるような体制を組んでおります。実際に来た御質問でございますが、粉ミルクを飲んでいたけれども大丈夫だろうかと。もうさいたま市でも内部被曝の検査はしていないのかといったことの質問もございました。今のところ、内部被曝検診はしておりませんし、市内の医療機関でも行ってはいないということをお答えいたしました。
 あわせまして、検出された量が非常に少のうございます。200ベクレルパーキログラムというのがこれが暫定基準値でございますけれども、こちらのミルクから検出されたのが21.5ないし30.8ベクレルということでございます。したがいまして、健康への影響があるような量の放射線量ではないというふうに認識しておりますので、この点を十分親切丁寧に御質問をいただいた方には御説明をするということで対応しております。

小川寿士委員:
 すみません、時間がないもので、次、2問まとめてお聞かせをいただきますけれども、もう1点、子どもの甲状腺の検査値の変化について大変な御不安をお持ちのお母さん方、お父さん方いらっしゃいます。本市としての現状認識と今後の対応方針、さらに保育園の砂場の砂についても御不安が大きい中で、保育園の砂場の砂への対応につきましても現状をお聞かせください。

保健所長:
 甲状腺の検査についてお答えをいたします。
 これも繰り返しになりますが、さいたま市内におきまして事故後計測された数値から、県内に生活されていた方が受けた放射線量は、先ほど申しましたようなことで、自然界にある放射線、比較的高い放射線量のある地域の住民が恒常的に受ける放射線量に比べても低いとされております。このため、セシウムとも同じ事になりますけれども、現在のところ甲状腺の健康調査が必要であるという状況にはないと考えております。

保育部長:
 今御指摘いただきました保育園の砂場での検査でございますけれども、11月に本市における放射線量の高い箇所への対応方針が策定されまして、公共施設において高い数値の放射線量が確認された際の低減措置に関する対応が示されました。それを受けまして、保育園に通園する園児や保護者の不安を解消するために、全公立保育園において、特に砂場と植物の根本、あと雨水、泥、土がたまりやすいところなどについて調査を行った次第でございます。地上5センチの高さで改めて空間放射線量の測定を行いました。
 御指摘いただきました砂場の放射線量は0.16マイクロシーベルト以下であり、ほかの箇所での放射線量は毎時0.05から0.33マイクロシーベルトの範囲であり、砂場を含めてすべての箇所で本市の放射線量の高い箇所への対応方針で示した判断の目安である地上5センチの高さで毎時1マイクロシーベルトを大幅に下回った次第でございます。

小川寿士委員:
 それで、先ほど申し上げましたが、本当に担当部署が多岐にわたっておりまして、1人のお父さん、お母さん方が子育てをされながら毎日の生活の中で、しかし大変子どものことを心配する中で、市の見解を聞きたい、保健センター、保健所に聞きたいと思いましても、本当に担当部署が分かれているということで、これ例えば少なくても保健福祉部局だけでもワンストップで相談体制の応じる体制はできないものでしょうか。

保健所長:
 放射線に関する窓口ということでございますが、身近な相談は身近な区役所の保健センターでということが原則だと思っております。当然その区の保健センターで対応しきれない困難な質問などにつきましては、私ども保健所の方でこういうようなお答えができると、情報も提供していると。ふだんから県のホームページ、あるいは放射線医学総合研究所の情報は各保健センターに提供しておりますので、一義的には保健センター、今申しましたように、そちらでなかなか答えられないものについては保健所の方へ聞いていただくか、あるいは私どもから保健センターの方へこういうふうなお答えをしてくださいという御案内をするということで対応しております。また、食品の関係につきましても、これは保健所の方で受けておりますし、あとは医務関係の窓口もございます。そういったところを御活用していただいて、御質問をいただければと思っております。


 

2012.01.10更新



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